― 記憶の断片 2/3 (回想) ―
[恐らく「次の戦い」はない……撤退戦まで含めて「戦い」というならば、そういうこともないだろうが。
その時のこと>>*5は、数千年経った今もよく覚えている。]
……莫迦を言うものではない。恩義を受けたものが、恩義を与えたものよりも先に死ぬなど!
[その時の表情は……ああ、そうだ、あんな表情。
怒りに目を見開くなど。そんな感情、憎悪に飲み込まれたかと思っていたのに。
冷静な口調もその時だけは忘れて]
それに。
無為に生きてギィ様の思いが踏みにじられるのを見るくらいなら。
……いっそこの場で、ギィ様の為に死んだ方がマシです。
[その言葉は。何の計算もなく、ただ自然に口から出ていた。
つまりそれが自分の願いなのだと]