― 魔王の天幕 ―[ イングリッドに怪我の手当てをさせている間に、 テオドールはソファでうつらうつらしていた。 無理もない。ほとんど休息をとらぬまま戦場へ出て、 そのまま指揮のみならず戦闘までも行ったのだ。 ][ かふ、と少し息苦しげなイビキをかいて。 イングリッドが不用意に近づいた瞬間に、 寝ぼけて抱き寄せた。 ]