人狼物語−薔薇の下国

252 グラムワーグ・サーガ2


【赤】 魔王 ギィ

[ふつりと湧いた怒りが収まることはなく、煮え滾るものを胸の内に溜めながら腹心の冷静な声を聞く。
怒りに霞んだ頭では、絶対なる主君という言葉さえ空虚なものに響いたが、そこから続く言葉と声のいろに、心が揺れた。]


  …………おまえは、いつもそうだ。


[深い呼吸を二つするほどの間を置いて、淡とした声を零す。]


 俺の先回りをして、俺の分まで骨を折って、
 全部終わってから、涼しい顔で言ってくる。

 俺は、おまえの背に負われて勝ちたいわけではない。

[言葉の内容ほどには、声に咎める色はない。]

(*8) 2014/09/16(Tue) 11:35:46

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