― 『世界軸』下層 ―[『虚無』が崩れ、色を失っていく。それを見てとった薄碧の竜は翼を大きく羽ばたかす。応じるように、神子の六翼が揺れたのは、やはり、他者には知り得ぬ事]『るぅぅぅぅ……』[一際大きく響く歌、それに導かれるように吹き込む、癒しの力を帯びた風。風はくるり、廻って『虚無』の残滓を掬い取り。どこかへ運ぶようにひゅるり、と消えた。**]