おおおおおおっ!!
[8つの蹄は音を止めなかった。
加速し、迫り来る風刃の軌道をひた走る。
右手に握るランスを目の前で真一文字に掲げ、風刃に対する盾とした。
致命となる首だけは守る態。
幅広のランスの側面を滑り流れてきた刃の一つは右頬を掠め、もう一つは左脇腹を切りつけていった。
鋭く裂かれた傷から紅い飛沫が後方へと流れていく]
これなら……どうだ!
[地響きを奏でる蹄が力強く床を蹴り、人馬と化したメルヒオルの身体が翼もなく宙を舞う。
大きな跳躍の先、宙にあるヴィンセントに対し、真一文字に掲げたランスを剣のように振るい、ランスの側面を相手に叩き付ようとした*]