[俺が、鷹匠〔ファルコナー〕としてではなく。(況して、諜報者〔ソマリ〕でもなく。)彼女達に会う事があったのはいつだっただろう。] … 扨、御嬢さん。 どうしたってそんなにこの国が嫌いか? 好きかと訊かれれば確かに是ではないが。[何を言っているのかと言わんばかりの表情をされたかもしれない。寧ろ、警戒を見せられたかもしれないが。] あぁすまない、趣味で諜報をしている者だ。 だから…… 不穏は知っているのさ。[そんな事を、飄々とした口振りと笑顔の表情で。(全くの、冷やかも過ぎる目で。)言ってのければ、瞬きを一度挟む。]