大鎌に、紅い装束...の、娘...
[ ヨセフが相見えた敵兵の特徴に、男が息を呑む気配はコエを通じても伝わったろう。
クレステッド皇太子を彼女が刈ったのだと、聞いていたヨセフならば、その反応は、兄の死に様にまつわるものと受け取られたかもしれない ]
...それ、で...
[ ヨセフほどの将とまともにやり合ったなら、相手も無傷ではないだろう。いや、ヨセフが生きている以上、負けて命を落としたのかもしれない、と、揺れる心情のままに、敵兵であるはずの娘の安否を問いかけようとして...続いた言葉に、かろうじて、その先を呑み込む事に成功する。
...用心せよ、と、我が身を案じて落とされたコエに一番に感じたのは、全く別の安堵で ]