[生まれた真白は、限りのある吹雪。
私から流れ出る赤を吸って薄く色づくそれは、ゆっくりと降っていればまるで花弁の様にも見えただろう。
けれど今は、その薄紅すら次々と真白に塗り替えていく速さで吹雪き、視界を塞ぐもの。
そして、人の身から完全な獣の姿へと転じた私にとって、最高の領域を作り上げるものでもある]
…なぁあ!!!
[身を横たえるように潜んでいた真白から、円月輪が落ちているはずの場所へと近付く少女を狙い定め。
未だ身体強化が効いていたからか、跳びかかった私の爪は少女の対処よりも早くその肩に食い込んだ]