[彼女を家に連れ帰ったなら、パメラが嫌がる様子がなければ、
風呂場を借りて彼女の汚れを綺麗に落とそうとしただろう。
暖かいお湯をパメラの頭から被せれば血は水と共に滴って流れていった。
まるで先程まで赤頭巾だった娘がちょうどフードを脱いだみたいに。]
これで、良いの。
赤ずきんを被って自分を偽る必要なんてないの。
[再び綺麗な亜麻色の髪が姿を見せればクララはにっこりと微笑んで、
パメラの髪に指先で掬うように触れながら、]
ねえ、忘れてないってパメラは言ってくれたよね。
私達が出会った日のこと。
あの約束は覚えてる――?