― どこか ―
[不意にかかった声に、わたしはハッとなって振り返った。>>*5
目の前に立つ人物の少女のような容貌、少し特徴的なものの言い方。
覚えている。
しかし、驚いたのは突然の再会ではない。
告げられた内容についてだ]
……一体、何のことかしら?
[しらばっくれても無駄か。相手はすべてお見通しなのかもしれない。
では、彼女は自分の同胞なのか。わたしは確かめないといけない]
…あなた、誰…?
[問に対してこの返しは、なんだか相手を忘れてしまってるような感じだけど。
尋ねているのは、宮廷画家という肩書や、ローレルという名前ではない。
こちらの思考を見透かした、その正体についてだ。*]