[彼方の記憶に押し潰されそうになったのは褐色のうさぎか、褐色のオオカミか。解らずも、誰かの気配を傍近く感じれば苦渋の表情はすう、と冷静さを取り戻し] やあ、ゲルト。 君の耳は舌ざわりが良くて旨かったよ。 もうすぐ君にも、この味の良さが解るようになる。