[記憶の澱から浮かぶものは、脈絡もなく移り変わる。そう。あれは落城間近のころ。ロルフに率いられた大軍が城へ近づいており、戦況を読めるものたちは、これが最後の戦いだと悟っていた。クレステッドと二人きりの時間を作ったのはそんな折だ。] 残念だが、もうここまでだな。 俺はもう少し足掻いてみるが、 おまえはここを離れてもいいんだぞ? 俺に付き合って死ぬことはない。 ─── ……