[「来てくれたの?」その言葉に痛みを感じるのは自分の心ではない、…そう思いたい。今となっては一輪だけ分けて活けられたチューリップ、それが彼の存在のようにも思えて眉尻が落ちる。助けに訪れたわけではなく――此処に、味見したウサギ達を全員閉じ込めれば「寂しくなくなる」のだと、赤い澱が告げていたから] 此処に居た方が、いい。 村にはオオカミが来るかもしれないって 今、ローゼンの家で話してる。