[いつも自分達の隠れ蓑になってくれる村人を大事にしろと、口癖の様に言っていた父の言葉が蘇る]『大事にしてもいいが。特別に思ってはいけない。私達と人間は絶対に相容れない者なのだ。この関係を保ち続けるには…人間に深入りしてはいけない。どちらも不幸になるだけだ』[両親から繰り返し聞かされた不幸の話。錆が落ち、雪と同じ色になった狼の耳に遠く聴こえて]………本当に…不幸にしてしまった。[耳に届く幻聴に、懺悔の様に呟いた聲はやはり白い雪に溶け消えた**]