― 月の舞台 ―
[見上げる視線の先、雷鳥竜の纏う洋装は、赤色に濡れていく>>*3:73。
――空を舞う者は、完全で、美しく、手の届かないものだ。
幻想であり、憧憬であり、戒めであり、諦観であったそれが、変化しつつあった。
先には召喚主との語らいで、そして今は、雷鳥竜との相対によって]
いいえ……満足には、動けませんもの。
辛うじて、ですわ……。
[雷を受ければ、当然ながら体は痺れ、言う事を聞かなくなる。
体捌きで立ち向かうことはもう不可能だろうと、思考する蛇竜の眼前で。
雷鳥竜の身を迸る雷が、竜の形を成していく]