― スラム街 ―
[度重なる負傷と力の行使による消耗に、雷撃が追い打ちをかける。
意識はどうにか保ったものの、痺れた身体は容易に動かせそうにない。
重力に身を任せた落下は、槍を引き抜くことが叶わぬノトカーを巻き込む形となった]
ぐあ……。
[床に叩き付けられるかに思えた身は、それなりに弾力のあるものに受け止められる。
首をもたげるようにして確認すれば何のことはない、ノトカーを下敷きに落下していたのだ]
つっ……。
無事……じゃあ、ねぇわな。
[まだ自由の利かない腕をどうにか動かして、横に転がるような形でノトカーの上からどいた。
それから数呼吸ほど置いて、どうにか身を起こす。
上から見下ろした視線が合えば、それが決着の合図となるか]