[実を言えば、彼を知ったのはその時が初めてではない。
それよりもずっと前、自分がただの人間だった頃までさかのぼる。
人が戦う力を得られるようにと魔法を教えていた魔術師がいた。
魔物に対抗できる人間を育てるための場。
その師の下で魔術を学んでいた時、同門に"死"を扱う魔術を研究している者がいる、と聞いていた。
悪魔の力を身に宿して力を得るべきだと主張しては他の魔術師から白眼視されていた自分と、死からの復活という禁忌の領域に引かれている彼とはどこか似ている、と奇妙な親近感を覚えもした。
結局、自分はさっさと師のもとを飛び出してデーモンロードの元に走り、力を追及していたから、彼のその後は知らなかったのだが]