― 終わりの始まり ―[………ぽすんっ。落ちた身体>>6:177を受け止めた雪がやけに軽い音を立てる。同時に錆が雪に溶ける様に落ちていく。錆が落ちた後には、真っ白な雪と同じ体毛の狼が横たわっていた]『始まりと同じ姿で終わるでしょう』[その狼を取りあげた産婆はそう言った。街で出会い、恋に落ちてこの村に戻ってきた両親。共に人狼で、母は身籠ると療養も兼ねて、彼女の生まれた村に戻った。その村には、産婆をやっている人狼がいたからだ]