……さっきの見張りか。
[影の中から現れたのは、先に見たのと同じ小さな獣>>2:91]
丸腰とはいえ、妙な術を使う。
[攻撃に転化するためのこちらの力とは違う、相手を翻弄するかのような奇妙な力。
未だ底知れぬ相手だが、黙って見ているつもりはなく]
こんなんで、おれっちを試してるつもりか?
[こちらへ噛みつかんと、口を開け牙を晒す小カラカルの、一体は上から振り下ろした刃で叩き、もう一体は右腕を外へ振るようにして横薙ぎにする。
二体の獣が消えたところで、こちらの動きは止まらない――というより、振り抜いた槍の動きに引っ張られるようにして、大きく右側へ回り込む。
通常の体重移動ではあり得ぬ動きは、相手の目にどう映ったか。
着地と同時に今度はしっかりと屋根を踏み締め、刃を左へ振り戻して側面からの一撃を狙う*]