[>>-450顔を上げた酔っ払い…もとい、スーツ姿の男に瞠目した一瞬。…しかし、声を聞いて夢は冷める。
…一瞬、彼に見間違えた。けれど、見間違いは見間違いで]
そんな、都合のいい奇跡、起こる筈も無い、な。
[叩き起こした最後の客を見送り、簡単に片付けをする店主を待つ。
さっきの知り合い?と問われれば、少しだけ苦笑いをし]
…いや、似ていた、気がしただけだ。
昔の部下に、な。
けれど、よく見ると全然違った。
[偶々似て見えたのか、見違える程に彼の面影を探していたのか
…どちらでも、もう、如何でも良い事だ。
ガーターベルトを使い続けるのは、今日で終わりにしよう。
果たされぬ約束は心の奥に仕舞い込んで…
――きっと、一生、ペティキュアは塗らない。
なんとなく、そう思った――*]