― 食餌 ―[熱を帯びた舌がゆるゆると、太腿の内側の張り詰めた筋肉をなぞり、付け根へと這い登る。濡れた軌跡は、動脈を探り当てるとそこで止まり、ちろちろと舐るを繰り返し弄る。反応を窺うように両脚の間から上目遣いに見上げた翠は、蜜の粘度を持って艶めいていた。おもむろに真珠いろの牙を宛がい、やわらかい皮膚にくぼみを作る。そうしてゆっくりと尖った先端を沈ませ――穿孔から滾々と湧き出る赤い湧水を啜った。*]