[分かち合ううち零れ溢れる息の泡の、たなびく方向だけが、そちらに水面があると知らせる。天も地もない無重力の昏い世界。仄淡く浮かび上がる水妖は、白くたおやかな触手でディークを絡めとった。よろこびの内に自ら囚われ、捕え返して、 水中をゆらり漂う影はひとつ][痺れるほど冷たい蒼を揺蕩う。遮るものの消えた肌は、触れたところだけ痺れるほど熱かった。身をくねらせて灼熱を押し付ける。しなやかに細い腰のラインを辿り、中心へ指を絡めて体温を確かめ。翠を覗き込む瞳に、緋が宿って滲む光を放った*]