「二度と俺たちに近づくんじゃねぇ」
[冷え切った視線と、人としての常識や感情を完全に捨て去った残酷な表情。そして低いドスの効いた台詞から、今すぐ命を奪われると危機感を抱いた女性は何度も頷く。
赤毛の男がその場から立ち去っても、しばらく動けずにいた。もしかしたら自分の異能力を見抜かれたのかも?と疑心暗鬼になってしまったのだ。
しかし真実は、黒髪の男性に色目を使う女性へ嫉妬した赤毛の男が、早めに警告を発しただけに過ぎなかった。しかしこれを無視したならば、絶対殺す!という意思表示をしただけだった。
……その夜以来、女性は街から姿を消したという。*]