[”お前こっちに来い”と、不機嫌な口調を隠さない赤毛の男に腕を引かれ、人気のない店の裏口へ連れて行かれた。
何するのよ、乱暴者って嫌ねと顔をしかめた女性が、]
こんな場所に引っ張ってきて、どういうつもり?言っておきますけどね、こう見えてもわた……。
[”私には、後ろ盾になってくれる人がいっぱいいるから、下手に手を出すとあなた危ないわよ”と牽制しようとした矢先。]
ドカッ!
[赤毛の男が満タンのゴミ箱を思い切り蹴飛ばす。宙を舞ったあと周囲に撒き散らされる中身を見て、女性は”ひぃっ!”と短い悲鳴を上げた。]