>>-919
[酷い人、と言われ。
言われなれた言葉だが、それでも新鮮に思うのは。
非難の声、にしては優しげな響きがあったからだろうか]
アリーセは巻き込まれてくれる。
共にドブ泥をかぶってくれるのだろう?
…だのに高みの見物など、させるかよ。
[高嶺から手折ったというのに。
花がいつまでも高嶺にあるつもりでは仕様もない]
あぁ、でも誤解のないよう。
言ったはずだぜ、まずは船板を割ると。
──守れって言ったのはアリーセだ、…!?
[彼にしては詰めを誤ったか。
突然重ねられた唇に、呼吸を止められ。
切られた言葉を、継なぐ事も出来ず、ただ小さな願い事に首を縦に振るばかり*]