騒ぐとバレるぞ。[先回りして、声を荒げないように釘を刺し。座席を覗きこまれない限りは、気づかれないだろうとしばらく手を握ったまま。そうだ、と右手でポケットを漁る。]違う、これはもらったキャラメルだ。これじゃなくて……あった。[取り出した紙袋に入った包みを、はい、と離した炉の右掌へと押し込んだ。若干の照れくささと、喜んでくれるだろうかという期待と不安の混じった視線を向け。]