― 土産屋 ―
[あちこちに、幸福の象徴として梟をあしらわれた小物に目を惹かれつつも残金を考えれば眺めるだけに留め。
一足先にレジに並んでいると、土産物の選別が終わったらしい炉が近づいてくる。>>-931
ちょうど店内に他の観光客が流れ込んできて、列ができてきたので、少し空いた隣の列に並ぶらしい。
その手元は見えないまま。
包んでもらった後に、先に出てる、と声を掛けて店の外へ。
遅れて会計を済ます姿を待ちながら、漂ってくるニッキの香りに気づく。
本家西尾八ッ橋、と看板が掲げられたおやつ処。
少しだけと覗いてみれば、「あんなま」という色とりどりの八ッ橋の小さな小分けパックがずらりと並んでいた。
帰りに食べようと、焼きいもを一つ買って戻れば、店から出てきた炉に、左手を差し出してみる。]
ほら、帰るぞ。
[右手を出してもらえたなら、集合場所の京都駅の近くまでまた手を繋ごうと。*]