――はい、これあげる。[駅ビルで買った千寿せんべいを1つ、玲緒に向け差し出し。包装を解いて、一緒にシュガークリームとせんべいの織りなすハーモニーに舌鼓を打ちながら、旅行の感想や今後についての話をする。あたしは帰ったら一歩、踏み出す心算だ。お土産を渡すまでの間は和やかでいたいけど、少しずつ味方を増やしていきながら望む未来へ向かって真っすぐ歩いていく。*]