ん、ならそうする。
[落ち込みはしても立ち直りが早いのが篤史だ。
遠慮はするなと>>-913言われれば素直に頷いて、顔を上げた。]
あ、でもちょっと待っ……
やっぱ――――…
[天倉の「全力」に少しばかりの不安を覚え、訂正を
入れようとするも時既に遅し。
彼の手が流れを作る箇所を頭から頬、そして顎へと変えて
篤史が退く事を許さない。]
(あ、来る。)
[この後どうなるのかを薄らと理解すれば、対する術を何も
知らないので反射的にきつく目を閉ざす。
近付く気配を、友人としての線を越える大きな不安と、
恋人となる喜びを携えて彼の制服の袖を強く掴み、迎えた。]