[棚が並ぶ店内に入れば、視線を遮ったお陰で羞恥も紛れ。
ただ握られていただけの掌にこちらからも力を籠める。
登下校も探検する時も握っていたあの頃のように。]
…………。
[土産を物色していれば、展示されていた扇子に目が奪われる。
深い紺色に描かれた金の漢字の羅列は、その経の意味を知らなくとも惹かれる物があり。
自分用の土産にと左手を伸ばした先に、もうひとつ。
タイガーアイとブラックオニキスであしらわれたブレスレット。
大河と似た名前のパワーストーンと、髪色と同じ漆黒のブラックオニキスを手に取った後、ちらりと大河を見て。]