[とはいえ吸血衝動が強くならぬうちに抑えておいた方が良いのも確か。だがアイリは我の血を望まなかった。むしろそうした方がアイリは気にする、と。]……分かった、其方の方がアイリにとっては気にすることなのだな。しかしアイリよ、許すも何もこうして我儘言ってくれた方が我は貴様を理解出来る、むしろ。そうだな。手を繋ぐのは我も望むところよ。[口を塞ぐ仕草は、かつての自分を思い出す。嗚呼、そうだ。こうして間をおいて冷静になろうと。心を堪えようと何度試みたことか。]