>>-837
あら、高嶺の花も壁の花もやめたつもりなんですけど。
私は手の掛かる花よりは、一緒に泥に塗れたいのに。それは許してはくれませんか?
[手を掛けるように、優しく頬に触れ包み込む温もりと、与えられる言葉の眩しさにただ目を細めながら]
――ふふ、お互い様です。私も詐欺師さんの言葉を信じきっちゃってますから。
裏切りを裏切りと思えない程度には。
……それでも、最後には裏切ってくれないと駄目ですよ。
私はオズワルドさん無しじゃ、こんなところで生きていける筈も無いんですから。
だから、板はやっぱりオズワルドさんにあげますね。
[なんて、立て板に水のように。
泥濘の闇のこちら側。騙され続ける日々が終わる日までは彼を唯一の知る辺寄る辺として。道標として向き続けようと、太陽を向く花のように満面の笑みでもって朗らかに、彼の顔を覗き込んだ]