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持ち合わせていないだなんて、身も蓋もないことを言わないでください。
でも……欲を掻きすぎたら元も子もないっていう詐欺師さんらしいのかしら。
[願望だと言ってくれる言葉はくすぐったくて、小さく首を傾げながら、途絶えない軽口を甘えた声でころころと転がす]
ふふ、私は根無し草になってしまった身の上。端でも無いから根も葉も無いのに?
音と歯はありますけど。
[ちらり歯を見せて笑い、それからゆっくりと。目の前の頬を包み込もうと両手を伸ばす]
――夢見るくらいなら、一生騙してみせて。喜楽しか無いのだと。
そうしたら、私は思い込みますから。悲しみなんて無いのだと。
[指で触れた先に仮面の感触はあったかどうか。
それは自分には伺い知れる事では無く、曖昧な世界ではどちらでも構いはしないと、明るく笑う。裏切られてもきっと楽しいと。裏切られなければもっと楽しいかもしれないと、後先顧みずに飛び込んだ腕の中。
爪先立って彼の目を覗き込み、ただ与えられる言葉の幸せに浸りきり信頼しきった眼差しを注いだ*]