― あの世とこの世の境目 ―
[青い空間では、時の流れは曖昧だ。
炎に包まれる船、歓声をあげる民衆、目覚める風、風に揺れる、花…
時には、過去にさえ遡り、聞こえぬはずのこえを聞き、見えぬはずの光景を見る]
[そうして、今は、橋の上…二人の若者が剣と拳と想いをぶつけあわんとする、その最中に、男の意識は在る]
[カナンにより示される紋章と、それを見たクロードの反応に、僅か目を伏せて]
まったく、使いどころを心得ている
……すまんな。
[小さく、呟いたのは、どちらに対する詫び言だったか]
[後はただ、楽しげに、そしてどこか懐かしむように、かけがえの無いその