[塔とは知識の象徴であることが多いとされる。
およそ外界と触れることの少ない塔の住民は、事件の中心に身を置く立場ではない。
――傍観者。歴史を識る者。それに甘んじるわけではないが。最近特に周囲が騒がしい。]
…………。
[冷ややかな空気が導師の周りから放たれていた。導師は確かに短気だが、物に当たったり、周りに当たったりしないのは少ない数少ない長所とも言える、が。
周りの術士は確実に距離を取っている。
本日の研究材料を自力で捜す気分転換をしていると]
――――…ピチョン
[水の気配を感じた。>>-723]