― 回想:ベルサリス学館 ―[春の足音は恙無く積まれてゆき。花の蕾がふっくら膨らんでくる長閑な季節。そんなある日――――…事件は起こった>>-221]えっ。職員室……ですか?[周囲の女生徒がざわつく中、キールも驚きに大きく瞳を見開いた。授業で何かいけないことをしでかしただろうかという不安な声を混じえつつも。ともかく行ってみようと全員で職員室の扉をがらり、と開ける。十数人の女生徒が、マーティンのもとに集まる様子。多分。他の教師がいたら吃驚する光景だったのでは、ないだろうか]