― IF・ディーク吸血 ―[朱い闇、朱い霧。傷癒えぬディークの眠る寝台の上…高めの天井に霧が集まる。霧の一部からにょっきりと二本の両手が生え、その指に挟まれたるは、十本のテーブルナイフ。頭上から注ぐのは、一本、二本、三本…… …他の者に吸血を受け、ぐったりとしたディークの身にナイフは注ぐ。再び腕が消えて、また現れて。そこには同じようにナイフを指の股にはさんだ手が、]