そうだ……あそこだ!くっそ、何で今まで想い出せなかったんだ[唐突に晴れた記憶は、もうひとつ忘れていたことを思い出し。かつての悪友と共に思い出の地に向かうべく、その位置を確認しようと身を乗り出して――ふいに、手摺が。限界を向かえて崩れた。支えをなくし、慣性のまま引きずられて身体が、足が空を掻き、そのまま深い海に吸い込まれる。展望台には吸いかけの煙草が一本と古い写真の挟まれた手帳だけが残された。]fin