―狭間―
[>>-428>>-429瞬いた後、繰り返される言葉。
大切な人と過ごす時間が当たり前のように続くと信じていた時を思い出す。
恐らく目の前の彼女とそう年の離れていない頃だろう。
若いうちは離れていても、やがて子を育てながら穏やかに過ごせたらと思っていた。
けれど残念ながら――そうした未来は訪れなかった。
変化が起きれば、多少なりと混乱は生じるだろう。
けれどその先に彼女が大切な人と添い遂げられる未来が来ればいいと、
――否、きっと作ってくれるだろうと信じている。
>>-430ヴェルザンディは小さく、けれどしかと頷いてくれた。
女はそれを見て穏やかに笑む。*]