亜梨沙は、これ…かな。
[勧められた青藍という名のペンダントの近くに並ぶ、紅と名付けられた同じシリーズの首飾り。
それを片手に絡めて、そっと差し出してみた。
真朱や桜、それから蘇芳といった赤色の作品の中で紅と名がついたものを選んだのは、樹脂加工の世界の中に華と戯れる鶯色の鳥の姿が在ったから]
すみません、これください。
[そうしてそれを買えば、そのまま亜梨沙の手の中へと]
邪魔になるかもしれないから
[言いながら視線は、亜梨沙の首にかけられている赤翡翠の首飾りへと向かう]
鞄の中にでも入れてくれると嬉しい。
[視線を首飾りから亜梨沙の顔へと移動させ、小さく微笑んだ。*]