「己が見たいと、知りたいと願う思いのために全力を傾ける……古きを重んじつつも、そこに捕らわれぬ魂を、感じましたから。
……『糸』であり、変革をもたらす『力』。
そこに、『価値』あり、と判じたまでです」
[国としての利を追いつつ、同時に、『個』の秘める可能性にあらゆる意味での『価値』を見出したのだと。
告げる表情は楽しげで、それでいてどこか穏やかなもの]
「……やぁれやれ。
ま、メル殿らしい……っていえば、そうなるか」
「……まったく、だな」
[その様子に、どこか呆れたように呟きつつ、それでも。
国王と総括、それぞれの表情もまた、穏やかで。