人狼物語−薔薇の下国

215 龍海乱舞 ─南方海域波乱航─


【独】 つむじ風の白狼児 ゲルト

[何でもない事のようにさらり、という宰相に、国王と総括、同時に突っ込んだ。
疲れたような二人の声音に、宰相はくす、と楽し気に笑って]

「まあ、そこまで酷い事にはならぬと思いますよ?
 シンシャ女王は先を見て、己が手を打つお方……我らとの盟に拘ったのも、相応の利がある、と見ての事のはず。
 そこを鑑みたなら、一時の激情で多くを捨て去るような事はないでしょうし……もし、そうなるようであれば、盟を結ぶ価値、そのものがありませんから」

「……否定はせんけど、さくさくと言うなよなぁ。
 シンシャと同盟結ぶ時に、俺がどれだけ苦労したと」

「それはあなたの自業自得でしょう、キリク」

「…………」

「……まあ、そこは否定できんわな……」

「……ヴェル、お前な……」

[さらりと重ねられた突っ込みに、国王はやれやれ、と息を吐き。
 それから、花茶を一口、味わって]

(-511) 2014/07/15(Tue) 10:04:21 (tasuku)

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