[何でもない事のようにさらり、という宰相に、国王と総括、同時に突っ込んだ。
疲れたような二人の声音に、宰相はくす、と楽し気に笑って]
「まあ、そこまで酷い事にはならぬと思いますよ?
シンシャ女王は先を見て、己が手を打つお方……我らとの盟に拘ったのも、相応の利がある、と見ての事のはず。
そこを鑑みたなら、一時の激情で多くを捨て去るような事はないでしょうし……もし、そうなるようであれば、盟を結ぶ価値、そのものがありませんから」
「……否定はせんけど、さくさくと言うなよなぁ。
シンシャと同盟結ぶ時に、俺がどれだけ苦労したと」
「それはあなたの自業自得でしょう、キリク」
「…………」
「……まあ、そこは否定できんわな……」
「……ヴェル、お前な……」
[さらりと重ねられた突っ込みに、国王はやれやれ、と息を吐き。
それから、花茶を一口、味わって]