人狼物語−薔薇の下国

215 龍海乱舞 ─南方海域波乱航─


【独】 つむじ風の白狼児 ゲルト

「いやそれ、ユウレンウチ単体ならそれでもいいが。
 ……シンシャと群島のいざこざを踏まえると、ややこしさが残らんか?」

「まあ、そうでしょうねぇ。
 シンシャの高官各位から、こちらへ苦情やら何やらが来るのは考えられますね」

[国王の問いに、宰相、さらりと言い切った]

「そうでなくとも、こちらは三代続けて、あちらからの『楔』を拒んでいますし。
 ……古きを重んじる方ほど、こちらに好印象は持たれてはいないでしょう、けれど」

[ここで一度、言葉を切り。
宰相は優雅な仕種で花茶の椀を傾ける]

「あちらが、こちらの『今の風』を拒むのであれば、それはそれで、それまでだった、と。
 そう、割り切りを付けるのも、視野には入れておかねばなりません。
 ……まあ、その場合はギンセイを抱き込む勢いで抑えつつ、様子見を続けているテンガを一気に引き込まねばなりませんから、手間ではありますが」

「……いやそれ、気軽に言うなよ」

(-510) 2014/07/15(Tue) 10:04:02 (tasuku)

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