『……そんなに心配なら、戻ればいいでしょう?』 ……え?[嘆息の直後に聞こえたのは懐かしい声。振り返った先にあったのは、懐かしい姿と、初めて見るけれどどこか懐かしく感じる姿。初めて見るひとの手には、見知った銀の月] 母様……と。 ……もしかして、父様?[問いに返るのは、肯定。亜麻色は数度瞬いた後、状況を理解して──改めて、自分が今いるのが何処か、を認識して僅かに伏した]