[それから、幾許か他者と言葉交わす事もあったか。風の娘は、不意に、蒼い虚空を仰ぎ見る] …………風。[ここで、穏やかな時間を過ごすのも決して嫌じゃない、けれど。この場所に魂を委ねるのは──まだ、先じゃなくちゃいけない、という意思は固まっているから、だから。とん、と。緩く抜けた風に沿うように一歩、踏み出す。それは揺らめくような不安定さのない、確りとしたもの。二歩、三歩。歩いた所で、ふ、と足を止めて。蒼の彼岸にいるひとたちを、振り返り]