どれくらい経ったのだろうか。すでに占いの結果は出ているが、曲芸師が一向に話し終わらない。
そこからしばらくして、曲芸師は自分が喋りすぎたことに気がついたのだ。
謝る曲芸師をなだめつつ、結果を発表した。
ー恋愛運は悪くねえな。近いうちにいいことがあるかもな。……大切な人が出来たりしてな。
すると曲芸師は、顔を赤くしながらも嬉しそうな顔をした。
ー(うわ、今の表情は反則だろ……危うく惚れるところだったぞ……)
どうかしたのか、と尋ねる曲芸師をごまかし、料金をもらった。
丁重に礼を言う曲芸師を見送りながら、自分も恋がしたいなあ、と考えた。
それに、あんな可愛い子に思いを寄せられるなんて羨ましい、とも思った。