[手を合わせて、いただきます。]
[彼は一体、どこが美味しいだろう?―やっぱり脚かな。
モモ肉が好き。引き締まっていて、美味しいの。
アキレス腱が好き。あの筋肉のスジがたまらない。
左脚を骨ごとぺろり。
左の脇腹を齧ってみたけど、美味しくないからいいや。
顔は残しておきたいから、頭には手をつけない。
最後に右脚も骨ごとぺろり。
うーん、もういいや。]
[手を合わせて、ごちそうさま。]
[元の人間の姿に戻ったら、さっさとその場を離れましょう。]
[いつか、こういう日が来るんじゃないかと思っていた。]
[こうやって、人を堂々と、だけどこそこそと食らい始める日が。*]