あの、さ。 こんな時に、こんな事言うのも、なんか、違うかな、って思うけど。[ほんの少し、考える間を開けてから、途切れがちに切り出す] ……あの時、会えて、話せて。 その事が、わたしを外に向かわせてくれたんだ。 あの時は、領域に近づかれる事に苛立つしかできなかったけど。 でも、あの出来事がなかったら……きっと、南の風は閉じたまま、だったから……その。