―狭間―
[>>-357名を呼ばれ、瞬きする様子。
女はあの会見の際に名乗った名前を口にしただけだったのだが。
先住民たる彼らには、真名という習慣がある事は知っていたが、まずかっただろうかと内心思う。
尤も、それ以外に彼女を呼ぶ名を女は知らないのだが。]
すまない、あの会見の時に同席していたので。
[惚ける声にそう応じつつ、己を見つめる視線を受け止め。
続く言葉からは相手が己の事を記憶に止めていた事を知る。]
覚えていたのか。
あの時には名乗らずに失礼した。
私はフィオン…
[騎士として在る為に名乗っていた名を口にしかけて]