[庭師の願いを容れたのは、もちろん彼女の行動を止めるためだった。けれど、決死の部隊にゆく前に、もう一度声だけでも聞きたいと思ったのも事実だった。今それが叶ったのに、叶えば次は、この面を上げてひと目見たいと願っている自分がいる。己の浅はかさに、ぎり、と奥歯を噛みしめる。『……せめてご無事でいて頂きたいと、願うことすら……わたしには、許されませんか?』僅かに震えた声に、胸が締め付けられるように痛い。]